アメリカでは「ピザは野菜」、文化の違いを超越した衝撃
アメリカではピザが野菜「もぐもぐニュース」という食の情報サイトに『「アメリカで「ピザは野菜」と国家が認定 理由はトマトソース…」という記事が掲載され話題になっている。
「ピザ」という言葉は、ネットスラングではデブと同様に太った人のことを揶揄する言葉として用いられている。
ネットスラング化してしまうほど、高カロリーで肥満に寄与しそうな食べ物が、アメリカでは「野菜」と認定されているという情報は多くの方に衝撃的だったようだ。
アメリカでピザが野菜と認定されたのは2011年。
「Pizza is a vegetable」という認定は当時アメリカ国内でも衝撃的で、多くのメディアに取り上げられた。
ピザが野菜になった健康食品推奨の動き
アメリカの学校では、日本のような給食はなく、多くは冷凍食品やピザチェーンやハンバーガーチェーンのメニューを受け入れて子供たちに食事を提供している。
そんなジャンクフードばかり食べて育つ子供たちの肥満化はすすみ、2008年の統計ではアメリカの子供の1/3が肥満に分類されている。
ファーストレディーのミシェル・オバマ夫人は、このような状況に危機感を持ち、オバマ夫人が主導してオバマ政権は、公立学校の学校給食にもっと野菜やフルーツなどのヘルシーフードの導入を含めた「ヘルシー・ハンガーフリー・キッズ・アクト」構想をたてた。
ジャンクフード提供者のロビー活動
このような健康食推奨の動きに抵抗したのがピザチェーン等のジャンクフード提供者側。
学校への料理提供は既に利権化しており、議員を味方につけてロビー活動を展開。
大さじ2杯以上のトマトペーストが野菜とされており、トマトソース(トマトペースト)をたっぷり使ったピザは野菜料理だと主張。
このような主張に対し、トマトペーストは1/2カップ以上から野菜とするような改正案も検討されたが、ジャンクフード提供者側は1/2カップもトマトソースを塗ったピザはおいしくないと反論。
この反論が正論かどうかはおいておき、結局のところジャンクフード提供者側の主張が認められて、野菜であるトマトソースをたっぷり使ったピザは野菜(料理)であると認定された。
野菜とは何か
「ピザは野菜」という認定は野菜とは何かという議論を呼び起こしたが、野菜とは何かを定義しようとすると意外と難しい。
畑でつくるものが野菜だ!とすると、工場で生産するもやし、トマト、きのこの類は野菜でなくなってしまう。
野菜とは○○である、と定義するのは本当に難しい。
結局のところ、○○は野菜です、という形で定義していくことになり、利権がからむと「ピザは野菜」というように不可思議なことがおこってしまうのである。
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