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生産者とスマホでつながる「ポケットマルシェ」今夏サービススタート

㈱ポケットマルシェ 取締役 本間さん(右) 生産者パートナー 中川さん(左) ㈱ポケットマルシェ 取締役 本間さん(右) 生産者パートナー 中川さん(左)


「鮮度が高く、品質も間違いない食材を生産者から直接購入したい」。これは食を大事にしたいと考えている人であれば自然と考えることでしょう。

それをいつでも誰でも簡単にスマホから注文できる・・・というアプリがあったらどうでしょうか?

今回紹介するのは、そんな「あったらいいな」を実現しようというWEBサービス「ポケットマルシェ」(2016年夏サービススタートを予定)です。

この夏リリース予定、うれしい悲鳴

「きのうが事務所オープンでした。バタバタですがすでに多くの反響がありうれしい悲鳴です。」

㈱ポケットマルシェ 取締役 本間さん(右) 生産者パートナー 中川さん(左)

㈱ポケットマルシェ 取締役 本間さん(右) 生産者パートナー 中川さん(左)

東京都銀座、歌舞伎座からほど近い事務所を訪ねたのは2016年7月初頭。対応してくださったのは、株式会社ポケットマルシェ取締役の本間勇輝さんと生産者対応を担当する中川葵さん。中川さんと小野(㈱農天気)は以前同じ職場で勤務していたことがあり、FB投稿を通してこの新プロジェクトの存在を知りました。

リンクされていた動画のイメージが非常にわかりやすく、スタイリッシュ。スマホをツールとして、農産物流通の形がこれから、こんな形で進化していくのではないかと期待させるものとなっています。

https://www.youtube.com/watch?v=JhhqGH9oE7Q

また、出品してくれる生産者向けの動画も作られています。

https://www.youtube.com/watch?v=36_bRulLxZw

生産者、消費者それぞれにオープンに働きかける・・・その仕組みは、もともと東北の震災復興現場から生まれたものでした。

「東北食べる通信」からはじまった

「ポケットマルシェの母体となっているのは、2013年に始はじめた『東北食べる通信』という“食べもの付き情報誌”です。農業・漁業といった食の現場の人たちのストーリーを取材した情報誌に、その生産者の食材をセットにして、購読者に定期的にお届けするサービスです。」(本間さん)

A3サイズの誌面にインパクトのある写真。おまけがメインともいえる雑誌「デアゴスティーニ」の食材版のようです。運営するのはNPO法人東北開墾(代表理事 高橋博之)。「都市と地方をかきまぜる」という理念のもとに、食が生まれる現場と消費者とをストーリーと想いでつないでいくスタイルは、多くの人の共感を呼びました。

食べる通信

「食材の出荷量の制限があるので1500部上限でしたが、間もなくキャンセル待ちとなりました。平行して、全国にこの「食べもの付き情報誌」の仕組みを展開するために「日本食べる通信リーグ」という一般社団法人を立ちあげ、日本各地で「◯◯食べる通信」の立ち上げを希望する個人や団体を募りました。2016年7月現在では日本中に34誌の『食べる通信』にまで広がっています」(同)

東北から始まった生産者と消費者をつなぐ取り組みは、こうして全国に広がっていきました。

グラフィックス1

食べる通信で広がった、全国の編集部そして生産者との信頼関係。そして毎月生産現場から消費者へ向けて食べものを直送し続けてきた経験を元に、ポケットマルシェは誕生しました。

ポケットマルシェと食べる通信 その棲み分けは?

アプリとして普及させることで、物流は生産者と消費者で直接やり取りが可能になります。冊子を届けるという部分についても、WEB記事でより気軽な発信が可能になります。これによって生産者も消費者もより大きなネットワークを作ることが可能となり、運営側も今までのように契約者数の上限を設ける必要がなくなります。

しかし、そうなると母体となった「食べる通信」の利用者がそちらに流れてしまうのではないでしょうか?

「食べる通信では、一人ひとりにフォーカスした誌面づくりに加え、イベントやツアーの企画やSNSグループの運営など、生産者とつながれる場づくりを編集部が行います。サービスの価値は食べものよりも、情報やコミュニケーションに比重があると言えます。一方ポケットマルシェは、生産者に出会い、会話し、購入できるマーケットプレイスです。ポケットマルシェが入り口で、食べる通信はより深くかかわりたい方のためにある場、という棲み分けができると考えています」

7月頭に入居したてのオフィス。銀座・歌舞伎座に近い。

7月頭に入居したてのオフィス。銀座・歌舞伎座に近い。

都会で暮らしていると生産現場と関わる機会はほとんどないのが実情です。しかし、食は毎日のこと。できれば安心感のあるものを大事に味わいたいもの。このアプリが普及することで、その「あったらいいな」が実現し、食の現場と消費者の距離がグッと縮まっていくのか?

リリース後の反響が楽しみです。

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