農林水産業に占める農業の割合は?
農業は第一次産業である農林水産業に属しています。
農林水産業は名前の通り、農業、林業、水産業から構成される産業です。
農林水産業は、言うまでもなく人が生きるために必要な食料を生み出す重要な産業です。
農林水産業において農業がどのくらいの割合を占めているのか?これが今回のコラムです。
答えは内閣府が開示している統計情報である経済活動別国内総生産(GDP)で産業の内訳をみることでわかります。
本コラム執筆時(2014年6月1日)にとれる最新の情報は平成24年の数値ですが、以下のようになっています。
2012年度国民経済計算 経済活動別国内総生産(名目GDP)
- 農林水産業 合計 5兆7301億円
- 農業 4兆8351億円
- 林業 1432億円
- 水産業 7519億円
農林水産業全体で5兆7301億円なのに対し、農業は約84%を占める4兆8351億円となっています。
84%という構成比は予想通りだったでしょうか、それとも予想と違っていましたか?
農業とは
予想通りといかなかった方の要因の一つに、畜産の位置づけが異なっていたということが想定されます。
農業は、農作物の生育や、家畜の飼育によって生産活動を行う産業です。農業というと、稲作を行う米農家や畑で野菜を作る農家さんをイメージすると思いますが、畜産も産業別でみると農業に含まれている点に注意が必要です。
このような前提事実を知らないで農業政策や農業ニュースを見ると誤解が生じてしまうことがあるかもしれません。例えば、畜産まで含めた農業全体を見据えて議論する方と、田んぼや畑で農作を行う農家さんに絞って議論する方が、前提を確認しないまま農業政策を議論しても噛み合いません。
報道や著名人のコメントは、前提がばらばらなため、提言者がどのような前提にたっているか読み手側で理解することが重要です。賛成するにしても批判するにしても、前提に誤りがないか誤解がないかを確認していくことが重要です。