Column 農業サークルぽてと :ぽてとだよりVol.2
こんにちは。一橋大学農業サークルぽてとの新井が今回コラムを書きます。
私は長野県出身です。放課後に友達と河川敷で虫を捕まえ、週末は山を走り回るなど、
豊かな緑の恩恵を十分に享受する、小学生時代を送ってきました。
しかし、中学・高校に進学すると、部活動などの別のことに熱中するようになり、
少しずつ自然と親しむ機会が減少しました。学校での活動に縛られ、忙しくなりすぎると、
緑のたっぷりある風景を際限なくぼんやり眺めていられたらどれだけよいか、と思うことも増えました。
その思いが積み重なったことに加え、食に関する諸問題に興味があり、農業サークルに入会しました。
農業は単に食料を生産するだけでなく、畑を整備し環境保全を行うことで、
人の心を和ませる役割も十分に果たしていると、私は感じています。
食料生産を効率的に行うためには、ある作物が世界の中で一番育てやすい環境を探して大規模に栽培し、
世界中で輸入・輸出を行えばよいと仮定することもできます。
しかし、そうならないのは、食料危機の問題を抜きにしても、
緑や畑のある風景によって潤いのある生活を人々が求めているからではないでしょうか。
ぽてとに入会するにあたり、「東京まで来て農業をする必要はない、地元でもできる」
と声をかけられるメンバーも多いです。
しかし、地元より緑の少ない東京での農業(都市農業)は、人々に新鮮な野菜を供給することに加え、
人々の心を和ませる空間を提供する点で価値があるのだと思います。
宅地として売ってしまえば多額のお金になる土地を、畑として利用するのは、
お金に変えられないほどの価値をもつのです。
この夏休み中に、私は地元の長野県に帰省し、祖父の畑の芋掘りの手伝いを行いました。
炎天下で行われる畑の作業は単純作業で飽きてしまい、体力も奪われてとても苦しかったです。
せっかく育てた芋の中にも、小さいものや腐敗しているもの作業途中で欠けてしまったものは
廃棄せざるをえませんでした。
また、天候によって作業日の変更があったり、苗が枯れてしまったり、
自分の努力とは別の力が働くことを改めて実感しました。
私は農業の一部分を手伝っただけであって、
一年を通して畑を守っていくのはどれだけ大変なのか想像できません。
人の心にゆとりを与える景観を守りたいと一口にいっても、
農業のかかえる諸問題(後継者不足など)を乗り越えなければならないので、簡単なことではありません。
私はぽてとの活動を通じて、農業の現状について色々なことをこれから考えていきたいです。
ぽてとの畑は、今、夏野菜から冬野菜へと移行しています。
きゅうりや唐辛子、なす等が役割を終え、先日はごぼうやニンジンなどの種蒔きを行いました。
この夏は手入れを頻繁に行えないときもありましたが、植物はぐんぐん成長するので驚きました。
冬野菜については一橋祭の出店もあるので、力をいれて栽培したいと思います。
~農業サークルぽてと 連載コラム「ぽてとだより」 Vol.2~
今号の執筆者:新井 美貴子(ぽてと役員・一橋大学社会学部一年)
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